オーラルフレイル

うまく噛めない・飲み込めない(オーラルフレイル・口腔機能低下症

うまく噛めない・飲み込めない
(オーラルフレイル・
口腔機能低下症)

うまく噛めない・
飲み込めない
(オーラルフレイル・
口腔機能低下症)

1.もしかして口腔機能低下かしら?

こんなこと、思い当たる節はありませんか?


出典:チェアサイドオーラルフレイルの診かた/菊谷 武/医歯薬出版株式会社

「うちのおじいちゃん、最近よくむせるのよね」
「母の食事の時間がすごくかかるようになってきたけど、どうしたのかしら?」

もしかしたら「オーラルフレイル(口腔機能低下症)」かもしれません。

2.オーラルフレイル(口腔機能低下症)とは?

「オーラルフレイル(口腔機能低下症)」とは、一体どういう事なのでしょう?

「今までのように身体が動かない」
年を重ねると、誰しもそのようになります。
年を取って老化するのは、足腰だけではありません。
お口の機能も低下するのです。
それが「オーラルフレイル(口腔機能低下症)」なのです。

「オーラル」は「口腔」、つまりお口全体のこと。
(歯や歯ぐきだけではなく、飲み込むことなども含めます)
「フレイル」は、介護になる前の状態で、健常の状態から身体の機能が衰えた状態を指します。
(frailtyという英語「衰弱、衰弱」の意味から来ています。)

「・・・でも、どの程度がその『フレイル』ってものなのかしら?」
こんなテストがあるので、お試しください。


出典:チェアサイドオーラルフレイルの診かた/菊谷 武/医歯薬出版株式会社

3.だんだんと体力が低下していくと・・

最近、テレビや雑誌でもこの「フレイル」という言葉は取り上げられています。
どうして注目が集まっているのでしょうか?

いきなり介護状態になる人はいません。(脳梗塞などの突発性の病気を除きます)
「フレイル」つまり「ちょっと弱っている状態」を経て、要介護になるわけです。

ならば、「フレイル」の状態で適切な対処をすれば、介護になる可能性を減らせるのです!
元気なおじいちゃんおばあちゃんに戻ることが出来るのです!!

下図の「2フレイル」の状態を「3介護」にならないようにする。
「2フレイル」になったら、「1健常」に戻す。
そのために出来る事が、歯医者さんにあるのです。


出典:チェアサイドオーラルフレイルの診かた/菊谷 武/医歯薬出版株式会社

4.問診表

「じゃあ、オーラルフレイルかどうか?は、どうやって判断をするの?」
問診表がありますので、ぜひチェックしてみてください。

ひとつでも心あたりがあったら口腔機能低下症かもしれません。


出典:チェアサイドオーラルフレイルの診かた/菊谷 武/医歯薬出版株式会社

5.歯医者さんに出来ることがある!「サルコペニア」を回避しよう!

「サルコペニア」(sarcopenia)は、「筋肉減少症」とも言われます。
筋肉の量と力が減っていくことです。
年を取るとそうなることは致し方ないのですが、サルコペニアの問題は「負のスパイラル」になってしまうところです。

どういう事かというと・・・

筋肉量が落ちる

筋肉の基礎代謝が減る(筋肉がないと熱を産生しない=お腹が空かない)

食が細くなる

身体のタンパク質が作られなくなる

さらに筋肉量が落ちる

こういう悪い循環=負のスパイラルが生まれてしまうのです。

コレを止めることが出来るのが「口腔のサルコペニア対策」です。
具体的には、食べやすくするためのお口のケアをすることです。
腹筋を鍛えるように、ベロの筋肉やノドの筋肉を鍛えると、飲み込みやすくなったりむせなくなったり、食べやすくなったりするのです。

ベロ(舌)・ノド(喉)のサルコペニア対策

足の筋肉が衰えて歩くのが億劫になるように、ベロやノドの筋肉も衰えると、飲み込みづらいなどの症状が現れてきます。
ベロは、筋肉のかたまりです。
また、ノドの筋肉は、空気は気管に、食べ物は食道にと瞬時に分ける技を無意識にうちにやってのけています。
でも、その筋肉も年とともに衰えるのです。

衰えるのは致し方ないこと。
ならば、トレーニングをすればいいのです!
足の筋肉を鍛えるのにスクワッドをするように、腹筋の筋トレをするように、ベロもノドも筋トレをすればいいのです。

1.ベロの筋肉を鍛える

ベロにスプーンや専用器具を押し当て、ベロはそれに逆らうように動かします(下図参照)。


出典:チェアサイドオーラルフレイルの診かた/菊谷 武/医歯薬出版株式会社

2.ノド(喉)の筋肉を鍛える

リハビリの対象にもなる飲み込みの機能、これも鍛える体操があります。
下記の図を参照にしてください。


出典:チェアサイドオーラルフレイルの診かた/菊谷 武/医歯薬出版株式会社

「図だけ見ても、ちょっとわからないわ」
「もっと具体的なことを知りたいわ」

そんなときは遠慮なく、当院スタッフにお尋ねください。

6.2018年4月から保険導入

平成30年4月から保険で検査ができるようになりました。
詳しくはお尋ねください。

いかがでしたでしょうか?

「難しいこと言われても分からないわ。」

そんな場合はいつでもご相談下さい。
読んで分からない事も、お会いして話せばわかるということは、本当によくあることです。
介護になる前に出来ることがあります。

要介護にならないことは、おじいちゃんおばあちゃんにとっても、ご家族にとってもハッピーなことです。
みなさんが笑顔で楽しく過ごするお手伝いが出来ればこんなに嬉しいことはありません。
ぜひお気軽にご相談下さい。