院長インタビュー
ベロの表面が乾燥して汚れていると、味がしないんですよ。 お口をキレイにしたら「味がした」って言われました。
いろいろ院内の道具を見せてもらいました。
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(往診用のポータブルユニットなどを見せてもらいつつ)往診は先生が行かれるのですか?
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はい、そうです。
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往診で出来ない事ってあるんですか?
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外科的なことは難しいですね。
患者さんは、椅子に座って治療します。(写真の左が往診用の治療セット、右がレントゲン)
削る、唾液を吸う、と歯医者さんのユニットとほぼ同じ機能が備わっています。
衛生士に、往診が好きな子がいますね。
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・・・もしかして、行くと往診先でお茶して帰ってくるとか?
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そういうところも時々あるんですよ。
お茶の先生がいらっしゃるのですが、お抹茶を立てて、茶菓子まで用意してくださり恐縮してしまいます。(笑)
コーヒーとお菓子を用意していただいて「今日は、こんなのあります」とか。
お互いに楽しみにして、やってもらっています。
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医院さんに来ていた患者さんが、往診のメインなんですか?
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それもありますけれど、ケアマネさんを通してグループホームとかおうちとか施設とかに行っています。
対象は、介護が必要な方ですね。
訪問歯科(往診)は、うちは10何年前から父親と一緒にやっていたので、このあたりでは「往診やっている歯医者さん」という認知度が高くなってきました。
結構遠くまで行っているんですよ。
でも、法律上ウチから半径16キロという縛りがあるけど、松山市内まで行けます。
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こちらの医院さんは、いつからやっているんですか?
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昭和48年です。
あと、おじいちゃんもいてたんで。
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三代目ですね!
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おじいちゃんは、別のところでやってました。
よく一人で技工(詰め物や入れ歯などを作る)とかもやってたんで、よく見ていました。 おじいちゃんのところへ遊びに行ったら、2階が診療所だったんです。
そこで、おじいちゃんがずっと技工していたり、診療しているところを見ていました。
昔は、診療台が違うんですよ。
足踏みミシンのようなベルトが付いてタービンを回すんです。
香川県にある、歯ART美術館に寄付しました。
そんなおじいちゃんを見て育ちました。
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そんなおじいちゃんを、少年だった先生はどのように見ていたのですか?
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おじいちゃん、格好良かったですね、シュっとしていてスマートで。
学校医を親子三代でやらしてもらっているんですよ。
実は、うちの母親の方も歯医者の家系なんですよ。
叔父も従兄弟も歯医者、ほぼ90%以上ですね。
そんなのをみていたから「自分も(歯医者に)なるんだろうな」というところが、スタートです。
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ということは、先生の生まれも育ちもココなんですね?
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生まれは、大阪なんです。
父親が大阪で開業医をしていたんですよ。
だから、幼稚園までは甲子園のすぐ裏に住んでいたんです。
小学校から高校まではココで、大学は大阪の歯科大に行っていたので、大阪と松山を行ったり来たりですね。
大学卒業後、大阪で5年半ほど勤務医をして帰ってきました。
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そんな先生が力を入れている治療はありますか?
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往診、入れ歯が得意です。
入れ歯は、別のホームページもあります。
→入れ歯のホームページへ
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入れ歯の治療での印象深いエピソードはありますか?
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無かったものが入って、噛めるようになったときに「ありがとう」と言っていただいたのが一番嬉しかったですね。
歯がグラグラしていたり、全部なくなっている方が「噛めるようになって良くなった」っておっしゃったり。
あと、お口の中のケアも結構大事なんです。
お口の衛生状態がよくなかったのをキレイにしたら「味がして美味しくなった。」と言ってたおばあちゃんがいました。
ベロの表面が乾燥して汚れていると、味がしないんですよ。
お口をキレイにしてあげて、味のセンサーを出してあげたら、すごく味がしだして美味しかった、「味がした」って言われました。
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口の中が乾燥すると、味がしないんですか?
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イオンとして、食べ物の中の味が、唾液に溶け出さないと味がしないんです。
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食べ物の味が、唾液に溶けて、はじめてベロで味を感じるんですか?
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味蕾(みらい)っていう味のセンサーがあるんですけれど、そこで感じているんですね。
ベロ以外にも・・・上アゴとかにもあるんですけれどね。
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ベロって大事なんですね。
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「フレイル」って「機能低下症」って意味なんですけれど、ベロの機能も鈍ってくるんです。
「食べる」という行為は、食べ物を噛いて、ベロで食べ物をコネコネコネコネ餅つきみたいにして食塊(しょっかい)にして、最後はゴックンってのどの奥の方にやるという複雑な流れなんです。
元気なうちは意識しなくても出来るんですが、年取るとその流れがうまく出来なくなる。
その流れには、ベロの力が大事なんです。
ベロの機能が落ちたりすると、元気がなくなったりするんです。
こないだ、菊谷先生のセミナーに行ってきたんですけれど、これを普及させようとしています。
みんな、介護が必要なるまでの間を延ばしたいんですよ。
健康寿命を少しでも延ばそうとしている、疾病を減らしたいんです。
家族もご本人も幸せですよね。
介護になると、男は2年、女は10年で死んじゃう。
先に奥さんの介護が必要になって、男の人が介護をすることになったら、男性は料理が出来ないから、女性が早く死ぬって、そういう話をされていました。
一人になったときに何にも出来ないから、料理をしないとダメだよと言っていました。
そのためにも、オーラルフレイル=口腔機能低下症を防ぐことが必要なんですね。
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・・その話、ショックですね。自分の旦那によく言っておきます。(笑)※インタビュアーは四十路女性
あと、入れ歯について聞きたいです。 -
歯がない方は、歯ぐきで噛んでいる、アゴとアゴで食べられている方が多いんです。
骨(こつ)が吸収(=歯ぐきがやせる)されていて、ツルツルなんです。
そうなると、インプラントも部分的に必要な場合もあります。
食形態がうどんだと、あまり噛まなくても何とかなっちゃうんです。
噛めるようになったら、今度は食事をコントロールしないと食べ過ぎて太っちゃう。
オーラルフレイルも含めて、おじいちゃんおばあちゃんをどうやって守っていくか、長谷川歯科に相談してほしいです。
往診もそうだし、全体的にサポートできますよ、ということです。
元気な人は歯のクリーニングで来院、見た目の良い歯や入れ歯など審美的な事の相談(インプラント、入れ歯)にも乗ります。
入れ歯に関しては、認知症が進んで入れ歯を入れているかが分からない方には、逆の発想で使うこともあるんですよ。
普段は入れているけど、食事のときは外す、ということも必要になってくるんですよ。
ベロの機能が落ちているのに、入れ歯を使いきれていないと、邪魔になっちゃう。
唾液(だえき:よだれ)が減っているので、吸いつきが悪くて痛かったりするんです。
例えば、下敷きも乾いているもの同士だとくっつかないけれど、濡れているとくっつくじゃないですか?
あの要領です、陰圧になってないとダメなんです。
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本当にお年寄りのお口の中って乾いているんですか?
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乾いていますね。
いろんなお薬飲まれていますから、重なっちゃうと余計乾きますね。
当院の入れ歯のホームページを見て、静岡にいる息子さんが見て「ココいいから親父行ってみなよ」って紹介してくれて、ホームページを印刷した紙を持ってこられたこともありました。
心あたりがある場合、ぜひ聞いてください。
あとは、50~60代の女性の方がホワイトニングとか白い詰め物に替える方もいますね。
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「もう一花、咲かせたい」的な?
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そうかもしれませんね。
白い詰め物・被せ物も、いろいろな種類があります。
自費でもいろいろな種類がありますので、聞いてください。
予約フォームも作りましたので、日中電話が出来ないという場合は便利だと思いますので使ってください。